日本語のドレスコード

目次

幸せな作品、幸せな私。

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撮影初日、無事終了!

ああ なんて幸せなんだろう



たくさんのお返事どうもありがとう

全部届いてるよ 全部読んでるよ



明日はFACTORY


2013年10月05日 0時18分

信藤三雄さんについて。

新作のアートワークが、さきほど公開された。

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今回もシングル“トートロジー”に引き続き、ぼくが敬愛する信藤三雄先生が手がけて下さった。
初回、通常共に自分が大写しになってるもんだから、ついつい小声になってしまうが、本当に、本当に素晴らしいデザインだと毎度のことながら思う。
ちなみに上は通常盤。

音楽専門誌(略して音専誌)ではあまり話す機会がないから、今日は信藤さんについての、ぼくが知るいくつかのことを、きみに話そうと思う。

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信藤三雄(しんどうみつお)。
1948年生。

おそらく世界でも最も多くのCDジャケットを手がけた男。

と同時に。
世界で最も(ジャケットデザインの)アイデアを盗まれた男でもあるかもしれない。

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たとえば、きみの部屋にあるCDをひとつふたつ手にとって、カパッと開いてみるといい。

そしたらその右側、つまりディスクをはめこむトレイに、注目してほしい。

きみが手にとったCDのどちらか一つ、もしくは両方ともが、透明のトレイを使用しているハズだ。

これは信藤三雄(と小西康陽さん)が発明したと言われている。
白か黒のプラスチック製トレイしか存在しなかったCD黎明期に、世界で初めて「ディスクを外さないと見えないデザイン」を施したのが信藤さんだ。

(川勝正幸さんは「透明トレイの特許を取っていたなら、きっと信藤さんと小西さんはビバリー・ヒルズにプール付きの家を持っていただろう」という名言を残している。)

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それでもまだきみが疑うつもりなら、こんな仮説はどうだろう。

『日本のすべてのCDラックには、必ず信藤三雄がデザインを手がけたCDが一枚は置かれている。』

ぼくは、あながちこれが暴論だとは思わないのだ。

たとえば、きみはミスター・チルドレンのCDなんか持ってなかっただろうか?ほとんどのアルバム、シングルが信藤さんによるものだ。

松任谷由実は?サザン・オール・スターズは?

そのどれも持っていない、というならブランキー・ジェット・シティがあるだろう。エレファント・カシマシは?真心ブラザーズは?UAは?

まして、前述した小西さんとのピチカート・ファイブの一連の作品。
フリッパーズ・ギター、コーネリアス、オリジナル・ラブ、カヒミ・カリィ等への卓越したデザインや驚くような特殊パッケージについては、もはやここに書くまでもないだろう。

なぜなら「渋谷系」とは、信藤三雄がデザインするCDの事を指していたのだから。

(そのせいで当時はミスター・チルドレンまでもが渋谷系にくくられていた)

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上に挙げたものは「ぼくが記憶しているカタログ」というせいで、ほとんどが90年代に生まれたデザインばかりだが、当然カタログは今も増え続けていて、もはや天文学的な作品数になっているのではないだろうか。

そして、蛇足ついでにもうひとつ書き加えるなら、80年代初頭にデザイナーとなる前の信藤三雄がリーダーをつとめていたグループ、スクーターズがぼくの生まれた年に発表したアルバム『娘ごころはスクーターズ』も薦めておく。

ぼくの音楽を気に入ってくれたきみには、きっとこれからずっと先までの愛聴盤となるハズだ。


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長々と書いてしまった。

最後に、ぼくが信藤さんに手がけていただいた作品の中で、印象的だったものを、いくつか。

橋の上での女装。

代官山で、白いシーツにべっとり血をつけたこと。

真っ黒なスタジオの、真っ白な花畑。

小道具さんに頼んで作ってもらった、バルタン星人の爪(!)をつけてのゲリラ撮影。(実はこれがイチバンお気に入りだったりする)


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明日はいよいよ“ゴッホ”MVの撮影初日。

うまくいくことを祈っていてほしい。
きみに握手を。

2013年10月03日 21時2分

(パンクにおける)傾向と対策。

大阪にてVS SERIES。
関西テレビの音楽番組によるライブイベント、ドレスコーズ VS locofrank。

昼からのサウンドチェックに間に合うよう、朝7時に東京を出発。
車内ではモトリー・クルー等。途中、パーキングでうなぎ茶漬。

午後14時頃大阪に到着。いつのまにか眠っていた。

会場は大阪MUSE。およそ4年ぶり。2度目。
フロアではlocoのサウンドチェックが始まっていた。メロディックパンク独特の、中域がカットされたサウンド。ぼくらの世代のサウンド、とも言える。

喫煙所でベースボーカルの木下くんと会話。locoの3人とぼくが同い年であることを知る。生まれた家の沿線も同じ。

16時からサウンドチェック。
この日が初披露となる“ゴッホ”を特に念入りに。ツアーぶりに演奏する曲もあるためいつもより慎重。

開場準備が始まる頃、東京からTOWER RECORDS 国広氏が到着。
ぼくの軽はずみな発言がきっかけで、この日の前説まで担当することに。

ぼくは国広さんを信用しきっている。
きっとそれは、ぼくにパンクを教えてくれた先輩に似ているからだと思う。

パンクスは、仲良くなった人間をカンタンに裏切ったりはしない。
国広さんが、先輩がそうであるように。

本日の主催者、原(はら)タコヤキ氏と楽屋で世間話。番組の製作担当であり、イベントの企画者でもある。

ぼくは今から5年ほど前、原タコさんが初めて企画したイベントに出演し、ステージから落ちて背骨を折ってしまった。
それに責任を感じているワケではないと思うが、それ以来ずっと原タコさんはなにか新しい企画を始める時には必ずぼくのバンドに声をかけてくれるようになった。

ドレスコーズが初めて公の場に立った昨年9月のクロマニヨンズ、BAWDIESとの3マンも、実は原タコさんの企画だった。
つまり彼は、ずっとぼくの歴史の立会人なのである。

国広さんの前説、木下くんの挨拶でイベントがスタート。
髪を切った丸山がステージに上がるとどよめきが起きていた。

“Trash”から始まるスロースタートのライブ。こういうのも気持ちがいい。

ひさしぶりのレパートリーをはさみ、初披露の“ゴッホ”。
演奏がやむと、客席は静まり返って拍手ひとつ起こらなかった。

ラストに“トートロジー”。歌いながら涙が出そうになることはひさしぶりだった。

1時間にわたる演奏。12月まで会えないなんて辛い。

locoの演奏を舞台袖から観る。しかし本編最後のあたりで途中退出。ホテルに移動し、NACK5に電話出演。

部屋で一人、体育座りでラジオトークをする男。
『えー、それでは聴いて下さい、さっきライブで演奏した曲です“ゴッホ”』

番組終了後、打ち上げ会場に合流。
ビール、ワイン、おいしい。

午前2時頃まで。

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翌朝10時から取材。G誌。
インタビュアーは友達でもある鈴木くん。言い忘れたけど、ご結婚おめでとう。

新幹線で帰京。M誌取材と撮影。お相手は寺田さん。ぼくが最も苦戦する相手だったりする。この人だけは言いくるめられない。いつも丸裸にされて終わる。

帰宅、今まで新連載執筆。

2013年10月03日 3時17分

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