日本語のドレスコード

目次

音楽を盗め。

雨の休日。

先週末は、Kicks TOURぶりに大阪、高松、広島でのステージ。
今年に入って初めての地方公演、ということになる。

「赤いドレス」と銘打たれた、大阪での赤い公園との2マンは『赤いドレスで来場した方にはチケット代全額キャッシュバック』という気の利いたサービスまであった。ここらへん、さすがFM802と清水音泉のタッグである。
結局、何人の猛者が3000円をせしめたのか聞くのを忘れてしまったが、ぼくらも当然、この日は赤い洋服でそろえて本番にのぞんだ。ら、赤い公園は白い衣装だった。

高松、広島は複数のライブハウスを一枚のパスで自由に行き来できるサーキット形式のイベント。
駅前や商店街は、まだ肌寒いこの季節にTシャツ一枚で首からパスとタオルをさげた若者で溢れかえっていた。
そのほとんどが10代で、自分もそれぐらいの年にこんなイベントが地元であったなら、それはそれは喜んだろうと思う。
普段は退屈な街が、この日だけは自分たちのモノになるのだ。
「学校では目立たないヤツ」と何回も顔を合わせたりして、意外とそういうヤツがオトナになってからも付き合える友人になったりする。

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こうやって、少しでも安くライブハウスに入れる試みがぼくは好きだ。
きっと、ガキんちょの頃に観たいものが観れなかった人が企画してるんだろう。だとしたら、この思いつきはちょっと素敵だ。

ライブハウスを身近に感じて欲しい、ロックを手軽に楽しんで欲しい。
なんていうふざけた意見と、これはまったくちがう。
ライブハウスはコワイ場所のままでいいし、ロックは手軽じゃない。一歩まちがえば死ぬ。
それとこれを混同するから、音楽業界は迷走している。音楽を薄めて安く売ろうとするオトナはバカだし、音楽は安くあるべきだと主張するガキも好きじゃない。

ロックンロールは、ガキんちょが盗んででも手に入れたい高価な宝石じゃないといけないのだ。

だから、オトナは高い宝石をなんとか売りつけようと必死の努力を続けるべきだし、子供はそれをどうにかくすねて、みんなに自慢すればいい。盗むチャンスをコシタンタンと、狙うのだ!

これが正しい文化のあり方だと思う。

今、音楽産業が儲かってないというなら、それはガキの窃盗団が一歩リード、ってワケだ。
こっちは盗んでも盗みきれないほどたくさんの宝石を用意して、ショーウインドウに並べるつもり。

いよいよ来週には京都磔磔、ワンマン公演。




2014年03月27日 16時51分

春なので一晩中、起きている。

春先に生まれたぼくはやっぱりこの季節が一年で一番好きなようで、ようやく春一番も吹き、夜もずいぶんあたたかくなって、これはいよいよもってたまらない。近所の梅の木が咲いていた。

なんてうわついていたら昨晩の地震だ。西日本のみなさん、ご無事でしょうか。
揺れの大きかった地域の人、メールをくれてありがとう。心配です。ぼくらによい春が訪れますよーに!

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ドレスコーズは近頃、またぞろスタジオにこもりっきりだ。素晴らしい新曲のアイデアが、いくつか。
そして、しばらくぶりのステージにむけてのリハーサル。
調子はすこぶるいい。はやくきみに会いたい、とぼくらは思っている。丸山はひげが伸びっぱなしだ。

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さて、ぼくの過去の作品集がいよいよ発売週を迎える。
それも揃ってふたつが同時に、だ。

『MARIES MANIA』の完成品が今朝やっと届いたので、スタジオにそのまま持っていって、3人に一枚ずつ手渡した。
その時は恥ずかしくって「あのー… つまらないものですがよければお納めください。」とかなんとか言ってしまったが、つまらなくはない。彼らに会う前の、これはぼくのすべてだ。

治雄がしげしげとジャケットの裏をながめながら「…曲、いっぱい作ったねえ」と言った。丸山はベイビー・モートンが入ってないぞと不満を言った。
スガさんは、ぼくとスガさんにしかわかんないジョークを言った。

昨晩はヒロTに会った。あたらしいヘアスタイルはなかなかいい。
越川和磨は今テキサスにいて、得意の隠し撮り写メを送ってくる。
富士山富士夫に作ってあげたTシャツが、ヴィレッジヴァンガードに置かれるそうだ。

まあ、なんというか、これはアレだ。

ぼくらみんなに、幸せな春が訪れますように、だ!


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単行本『少年ジャンク』は、表紙の加工や色の出具合に校了ギリギリまでこだわったせいで、見本が届くのは発売日の前日だそうだ。デザイナーとしては、思い残すことはない。

なんと発売の翌週にはサイン会まで決まってしまった。
CDのサイン会なんていまだにムズがゆいものだが、それが著作となるとかゆくない、フシギ!

あと書籍では『ロックンロールが降ってきた日2』も発売になっている。
これは、ミュージシャンが音楽との出会いを語ったインタビューをまとめたシリーズ本で、吉井さんやマーヤさん、ピーズのはるさんにTOSHI-LOWさん、そして早川義夫さんといったぼくの子供の頃のアイドルたちと並んで収まってしまった。

このとおり、ロックンロールはきみの夢を確実に叶えるだろう。という証拠なのだ、この本は。


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で、過去の作品集の同時発売を記念して、ひとりで小さく盛り上がることにした。
明日、新宿紅布のイベントでDJをします。

このイベントは毛皮のマリーズがインディー・デビューもする前(つまり10年近く前!)によく出してもらっていたパーティで、ひまわり女史という方がひとりでずっと続けてきたもの。
この日の出演バンドも昔何度もお世話になった先輩方ばかりで、ひさしぶりに後輩面で甘えてこようと思う。わーい!

これからひと眠りして、じっくりレコードを選ぶ。
きみは紙にリクエストなんか書いて、渡してくれたらうれしい。

2014年03月15日 5時8分

ローリング・ストーンズと誕生日を祝った。

昨日、32才の誕生日を迎えた。

ここからのメールや公式ツイッターで、たくさんのお祝いの言葉をもらった。
事務所にプレゼントを届けてくれた方もたくさんいらしたようだし(まだ受け取りに行けてなくてごめんね)本当に、いくら感謝してもしきれない。
どうもありがとう。ぼくは果報者です。

3月ということもあって、たくさんの心配事や悩みを打ち明けてくれるメールもたくさん届く。
受験生諸君に、なにかお守りになるような言葉でもかけてあげればよかった。
進学に就職に、きみの悩みはつきないことと思う。

でも、きみが今しようとしていることはきっとうまくいく。

ぼくも、眠る前にはきみと同じ不安を味わっている。きみといつも、同じ夜を過ごしているのだ。
だから、眠れないならいつでもメールをくれればいい。それにぼくがメロディをつけたら、レコードにしてきみのもとに返そう。

悩みや不安は決してなくなりはしないけど、ぼくらの営みはこんなにも強く美しい。

人間って、ほんとイカしてる!

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さて、誕生日のしめくくりはザ・ローリング・ストーンズの来日公演だった。
だから、今年の誕生日はいつにもましてサイコーだ。

ぼくは結局、全日程に通ってしまった。
ローリングストーンズが同じ街にいると考えただけで、いてもたってもいられなかったのだ。

キース・リチャーズが昔こんなことをインタビューで話していた。

“誰が俺たちを『世界最高のロックンロール・バンド』なんて呼んだ? 俺たちはクソみたいな演奏もする。俺たちは、たまに世界最高になるんだ。毎晩最高なんて、心電図で言えば死んでるのも同じさ。アップダウンがあるからやめられないんだ。”

ぼくは3日間通って、この言葉の生き証人になったのだ。

しかしここ一週間ほどは、会う人会う人がまるで挨拶のように「ストーンズ行った?」とくるから、人見知りのぼくでもずいぶんと会話がはずんだ。
町中で偶然会ったフアンの子とも、何度もそんな話をした。明日行く? 何日目もいたの、じゃあ、あの時のキースの顔見た? なんて具合に。

ストーンズさえいてくれれば、ぼくらはずっとこんな風に幸せなのに、彼らはもう次の国へと旅立ってしまう。悲しい。
留守は立派に守ろうと思う。

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余談だが、ストーンズのTシャツをデザインさせてもらった。
実は2枚描いて1枚がボツだったのだが、それもストーンズのメンバーが選んだ(!)んだから、悪い気はしない。

ストーンズ・ロスの方は、ぜひ。

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http://buddyz-shop.com/?pid=71385237



日本公演の1曲目は毎晩ちがう曲目だった。
初日、「まあ“Start Me Up”でしょ」なんてタカをくくってたぼくらに投下された“Get Off Of My Cloud”の衝撃は一生忘れないだろう。

ぼくの誕生日の1曲目は、“Jumpin’ Jack Flash”。言うことなしです。

(次に来た時は、お願いだから“100年前”演って!)



今年もらったケーキ。

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ようへい。

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リュウイチ。

 

2014年03月07日 23時29分

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