2012年04月15日 12時10分 KREVA 頂いた感想文をご紹介

KREVA CONCERT TOUR 2011-2012「GO」
全国ホールツアー全22公演を無事に終えることが出来ました。
ありがとうございました。

最終公演を終えて、皆さんからライブの感想を直接頂きました。
ありがとうございます!
その中で「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない』」の
演出家・町田誠也さんから"感想文"を頂きましたのでご紹介させて頂きます。

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初めての感想文

GOツアーは八王子にいけなかったこともあって
結果武道館2days&国際フォーラム2daysの
4日間となりました。

武道館にいたってはKREVAさんという
アーティスト&人物を知らない状態で
とにかく頂いた資料を元に脚本を書き上げてすぐの参加であった為
驚かされる事が盛りだくさん。

まず驚いたのはMCが無い事。
僕もヴォーカルとしてライブには何度も出ているので
MCと給水ってとても休憩として重要じゃないですか。
でも給水は他に喋り続ける人がいなければ
空気を壊す行為ですし・・・

しかも通常の音楽ライブに比べて
圧倒的にラップは、しかも高速ラップは
歌詞の量が膨大であり
演劇で言う一人芝居に近い分量の言葉を
音楽の中に放り込まなければならない。

なるほど、そりゃー
僕が作るリズムや曲間の中で作る芝居なんか
余裕なわけだ・・・

しかもあの歌詞は間違えたり飛んだりすると
フォローがしにくい速度と勢いで
それをとにかく淡々と、そしてエモーショナルにはじき出す。

歌詞を知っている曲が多いだけに
舞台のときの情景も伴って
非常に楽しい空気を味わえました。
やっぱり情感に訴えてくるなぁと・・・

で、本当に給水しない。
いや、ステージ上の照明の量を考えるに乾燥は半端じゃないと思う。
にもかかわらず、徹底してパフォーマンス重視の演出。

いや、恐ろしい。
しかも細かなカメラを使った遊びが心憎い。
悪戯っ子でお茶目を演出する目線を使った可愛い空気、
観ていてムカムカするがそれはただのやきもちだ。

MCの無い部分を無音の遊びで埋める
演劇的には上級者の技術である。
しかもツンデレキャラは壊さない。

そしてコール&レスポンスが無い。
にも関わらず客席の一体感は半端じゃない。
(やしきたかじんや聖飢魔・のライブで育った僕には
驚かされることの連続でした・・・)

それは丁寧に作り上げられてきたこれまでのライブの約束事と
ファンの間での無言のルールなんだろう。
初見の人間が置いて行かれる空気ではなく
むしろ見よう見まねで参加できる温かい空気だ。

そして視覚演出が物凄く丁寧である。
スモーク、映像、ライティング、特効が非常に丁寧で
楽曲を知らなくても視覚的に飽きさせない。
しかも要所で歌詞が映像に映し出される事で
ただ曲として聴覚と音圧を皮膚感覚として感じるだけではなく
視覚に入り脳へ訴えかけてくるメッセージ。

そして曲間のつなぎが上手い。
これはMIXアルバムが出せるのだから
当たり前の事かもしれないが
曲終わり次の曲ってのがテンポよく行くのは
本当に重要で、カラオケ屋で生まれるような中だるみが無い
ので世界が壊れることなく、集中が切れることなく
むしろ次がどうなるのかのワクワクを喚起している。

そういう意味ではセットリストの面白みも感じた。
(これは演劇の時に考えて並べた過去があるから
感じることかもしれないですが
KREさんと野村さんの愛が詰まった構成でした)

またSHUHOさんがいなくなってしまった事を
ポジティブに切り替えて新しいステージに変えた力量も
もちろん熊井君もすごいんだけど
素晴らしいと思った。

またその苦労話を一切しない。
(この件だけでなく)

人はMC無しラップのみのストロングスタイルだとか
色んな表現をしていますが、
僕は、KREVAという人間の思考だったりスタイルだったりを
真っ直ぐぶつける為の手段としての時間だったのだと
受け止めています。

昔で言うなら英雄の演説だったり
高僧の説法だったり。
人間力をぶつける集いのような独特のパワーのある空間でした。

それゆえになんとなく連れてこられた友達なんかも
アルバムを買ってしまったり。
(町田友人は何人かその場orアマゾンにて購入との話です)
ファンになっていくのだと実感しました。

実際、僕自身はKREVAさんを知らなかったので
武道館で人物に圧倒させられたし、
ぶっちゃければ元メタル屋的には
HIPHOPとか舐めている部分がたくさんあったんですが
鼎談の時に話されていたように

「いい時期にいいものと出会いました」

しかもチケットが売れていないくだりから
野村さんから状況も事情も聞かされてたんですが
そこからの行動力が素晴らしい。

いや、音楽界初だと思うんですよね
あれをプロモーションに変えてしまうのって。
ともすればネガ過ぎるし
自身のブランドイメージを落としかねない。

にもかかわらず、
スタッフのせいにするでもなく
真っ直ぐメッセージに昇華する事で
ブランドイメージを落とさず
ライブオープニングのネタに変え
そしてSONOMIさんをして「男らしい」と言わしめる。

稽古期間を思い出し
改めて人間としての凄みと、
そして少しの可愛げのあるいやらしさにムカムカしました。
まぁ、改めてやきもちなんですけどね・・・(苦笑)

そして最後が圧巻。
新曲に会場を巻き込む為の時間を割くだけでなく
それを新しい空気に変えるために
紅白歌合戦というまたベタな
それでいて分かりやすい目標を表現する。

これはなかなか真似できないですよ。
僕らで言えば○○演劇賞を獲りますと宣言して
公演うつみたいなものですからね。

しかも分かりにくい目標を打ち出すのではなく
分かりやすい目標を打ち出すのはトップとしての資質としても
素晴らしい。

いやはや、武道館は睡眠不足フラフラで
フォーラムは風邪でフラフラだったにもかかわらず楽しめました。

そして稽古&公演期間中を含め
ずっと言わずにいた
人物への感想を述べた事で
自分から距離を置いてしまう独特の僕の中の恥ずかしさは
軽減できたのではないかと思うんですよね。

まぁごちゃごちゃと色々書きましたが
ストレートな表現で言うならば
「面白かった」
これに尽きるでしょう。

またいつか一緒に仕事できるときには
口惜しいので尊敬させ返します。

探究心を持って。


R:MIX座長
町田誠也
・R:MIX HP→http://rmix.net/