日本語のドレスコード

ブッカホリック。

新宿ではまったく誰もが幸福そうな、13日の金曜日に!

ツアーを終えてからというもの、10時間起きては10時間眠って、というような生活をくり返してたぼくは、ようやく堕落にもあきて外に出た。

ぼくは近しい友人と「銀座火曜会」という集まりを催していて、それはただ銀座に集まってぺちゃくちゃとおしゃべりを続けるだけの会なのだが、今週はまずそれに出席した。

当然、今週のテーマは終わったばかりのぼくらのツアーについてで、おどろくべきことにぼくは夜の10時から朝の6時までひたすら話し続けた!

あくる日は某音楽誌の取材を4人で受けた。
やはりツアーを振り返る座談会で、これも3時間近くにわたった。

それでようやくアタマが空っぽになったぼくは、さっそく次のなにかを探しに新宿の書店へと出かけた。

見わたす限り一面の棚にぎっしり詰まった背表紙を、じろじろと左から右へ、上から下まで。
ぼくはこの人生を、書店やレコード屋でのこの「じろじろ」でほとんど終えるんじゃないかしら。

ようやく3冊ほどを引き抜いて、レジへ。

すると、ロッキング・オンの最新号がふと目に入った。
ルー・リード追悼号。

表紙右上には澁澤龍彦よろしく背徳的なムチと仮面のデザインが施されており、思わず購入。

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突然だが、ぼくは幼少期から漫画に執心していて、これはいろんな所で話しているエピソードだが、物心ついた時にはすでに数冊の「愛読書」があった。

魔夜峰央『パタリロ』、永井豪『デビルマン』(妖鳥シレーヌ編)、それに楳図かずおと日野日出志のホラー短編集いくつか、である。
これらは気がついた時には手元にあったものだから、ぼくは勝手に両親の趣味だと思い込んでいた。

しかし、のちのち聞いてみれば、すべてぼくが買ってくれとせがんだ漫画だったらしい。

なんだ、つまりぼくは生まれもって倒錯してたんじゃないか、という話。

そしてティーン・エイジャーになってからは怪奇・耽美モノの小説にどっぷりだった。江戸川乱歩、夢野久作、澁澤龍彦、寺山修司。

なにが言いたいかというと。
ぼくほどルー・リードに救われた男はいないんじゃなかろうか。

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余談だが、裏表紙のアブリル某の写真が表紙のルーとよく似ているのは偶然だろうか。

2013年12月13日 23時5分

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