ツアーが、終わった。
あまりにも素晴らしいツアーだった。
ファイナルを終えてもう丸二日がたって、ぼくはただじっとこの二週間あまりのいろいろを思い出したり眠ったりして過ごしているが、メンバーの誰もコラムを更新していないことから察するに、みんな同じような気分の中にいるのだと思う。(後記:スガさまがまったく同じタイミングでコラムを更新していた。)
いわゆるひとつのもぬけのカラ、だ。
なにも手につかない。
たとえば地方のホテルで朝、目を覚まし、まずノドの具合を確かめようと、おそるおそるエヘン、とセキばらいをひとつする。
コン、なんてかすれたセキが出ようものなら、たちまち目の前は真っ暗になる。
そしてシャワーで温めながらノドの皮をぐいぐいひっぱってマッサージしつつ、前夜の反省を始める。都合、長風呂になってしまう。
―そんなことはしばらくしなくていいのだ、と今朝シャワーを浴びながら思う、ということ。
ツアーが終わったということ。
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冷たい雨が降る中を新潟に向かってバンドワゴンは出発した。
ぼくは数日前に東京ドームで観たポール・マッカートニーの素晴らしいコンサートの余韻から、まだ抜け出せないでいた。
(彼一人の来日のせいで、11月18日以降にわが国で行われるすべてのエンターテイメントのハードルは上がったと言えるだろう!)
車内に“バンド・オン・ザ・ラン”が流れる。
気付けば雨が上がっていた。
会場に到着する。先発組のスタッフもみんないい表情をしている。
この会場には、ステージの上(!)中央やや左寄りになんとも邪魔な柱がある。そこにガムテープで大きく「DC」と書いた。
だって今日、ここはぼくらだけのものだ。
初日の幕が上がる。
のっけから、ツアーの勘を取り戻すには十分すぎるほどの、すさまじい盛り上がりだった。
アンコールまで終え、引っ張られて裂けたTシャツも投げ込んで、終了。
仙台でも、あまりの盛り上がりに我を忘れて、タンバリンまで客席に投げ込んでしまった。ぶつけて怪我などさせては大事である。反省しきり。
まあつまり、なにからなにまで捧げてしまいたいのだ。
札幌。このツアーで何度も訪れた、ある感覚。
空間を完全に掌握して、まるですべてが思い通りになる魔法のような感覚。というのが、エンターテイナーには、ある。
ぼくは目が合った男性客の肩にひょいと飛び乗って、そのまま最後は満員のフロアのど真ん中で歌った!
(聞いた話だとこの男性客は終演後、フロアでみんなに胴上げされたそうだ)
ここでバンドは一度帰京。TBSでリリーさんと中居くんの音楽番組の収録を済ませ、次は西へと向かう。
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どうも長い日記になりそうだ。
続きは明日。
写真は函館にて。