日本語のドレスコード

ツアー前夜に。

明日になれば。

ぼくらはバンドワゴンにのりこんで、
北へ、北へと向かう。

そこから日本をぐるりと一周して、ぼくらが帰ってくる頃には
きっと東京はすっかりクリスマス・ムードだろう!

ようやくきみに会えるぼくらは、
明日からの旅が楽しみでならない。

もうまったく、そわそわと落ち着かないのだ。

今日、最後のリハーサルを終えて、
ぼくらの演奏は興奮に昂ぶって素晴らしいものだった。

少し髪を切って、ものもらいには薬を塗って
衣装だってスーツケースにきっちり収まってる。

そしたら今になって、大事なことをすっかり忘れていることに気付いた。
…旅に出るのに、BGMがないなんて!

ぼくは今夜、それを作るのにたっぷり時間を費やすことに決めた。
おととい観たポールの、本当に素晴らしかったコンサートを思い返したり、
ルー・リードが遺した、ダークで美しい音楽からいくつかを選んだりして。

あとはなにを入れよう?
開演を待つライブハウスの、あのたまんない時間にふさわしい音楽。

それが流れ切った頃、ふいに客電が落ちて、
いつものように“All Tomorrow's Parties”が流れたら、

ステージにぼくらはもう立っている。

そして、うるさいロックンロールばっかり立て続けに演れば、
きっときみは笑いが止まらなくなって、
そしたらぼくがこう言うのだ。

「…ぼくらがドレスコーズ、今日のぼくらどうだい?」

きみは不安や絶望を抱えたまんまでいい。
それを抱えたまんまで、ぼくらは一緒に踊るのだ。
ライブハウスで、うるさいロックンロールに合わせて!

どうか神様、明日から始まるこの旅が、
すべての人を幸せにするものでありますように!

さあ、歌えロリータ!
恋と労働の、シンフォニーをゆけ!


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追伸:『バンド・デシネ』のCMはもう観たかい?
今さらだけどここにアップして、観れるようにしてもらった。


2013年11月20日 19時14分

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