日本語のドレスコード

すべての映画は、ぼくらのエチュードだ。

午前10時に起床。打ち合わせが続けて2本。

まず事務所にてミュージックビデオの制作スタッフと。

昨夜発表のとおり、今回のMVのメガホンはぼくがとる事に決定した。
自主制作を入れれば数本目だが、本格的なものは初。

それは一週間ほど前のことだった。

「…もしもし。しまちゃんよ。」

昼間にめずらしく鳴った電話はコロムビアのディレクターI氏から。
ぼくとI氏の付き合いもかれこれ4年目で、近頃ではもう声のトーンを聞けば用件の良し悪しが判別できるようになってきてしまった。

「“ゴッホ”のMVの監督ナ、決めたデ。」

これは心構えが必要な方のトーン。

「…ジャーン!志磨遼平や!」

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さっそく書き上げた数パターンのプロットの中から悩み抜いて一本に絞り込み、今日は2度目のミーティング。
ロケ場所、キャスティングがほぼ決定。

ぼくらは、必ずきみを驚かせる自信がある!

ところでこれは余談だが、技術的な無知をおぎなってもらうため、ぼくは最も信頼の置ける映像監督とそのチームに協力を願い出た。

その監督がくれるアドバイスが、毎回とても参考になるのだ。

これはもしかすると、ぼく以外の人も必要としているアドバイスかもしれない。そう思って、前回のミーティング中からすでにカメラを回してもらっている。

モノを創る人にとって、結果と同じくらい興味があるのはそれが生まれたプロセスだったりする。それをそっくりそのままきみに見せるつもりだ。どうか楽しみにしてほしい。

もう一本の打ち合わせは神保町にて。
新しく始まる連載のための。

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昨日の日記にもたくさんの返事が届いた。
すべて読んでいるし、許されるならここに載せたいものもある。
きみは、覚悟して送ってくれたまえ。

そして何人かに誤解を招いているのは、ぼくの文章がうまくないせいだ。

ぼくは、真っ暗な客席をもっとよく見るため、飛びこんだりきみのアタマをふんづけたりしているのだ!

だからぼくは、いつも目をひんむいて歌っている。あれはあとで映像なんかで見ると、実にガッカリくる顔をしている。

しかし、そうすればぼくにだってきみがハッキリ見えるのだ、ということ。

誤解を招いたことを、あやまる。

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打ち合わせのあと、めったに来ない神保町なので古本を買い込む。
音楽書籍4冊、文庫本1冊、漫画2冊、ポスター1本。

中でも「JAZZ COVERS」という図録は素晴らしい。40年代から90年代初期までのジャズのレコードジャケットが、デザイナーや写真家の紹介つきで650点以上も載っているというすぐれモノ。もちろんオールカラー。こんな本をずっと探していた。

そして紙袋を引きずったまま、珈琲屋「さぼうる」へ。ベタなコース。

帰宅後ブロス連載、まさかのHi-STANDARDネタ。土舘さんいつも遅くてゴメン。


jazzcovers1.JPG


2013年09月27日 1時53分

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