日本語のドレスコード

まえがき。

ひさしぶりに時間ができた。
シングルを含め、およそ半年続いたレコーディングがようやく終わったのだ。

そしてぼくはどこかに出かけるでもなく、こうして部屋でひとり、文章をつづっている。

なにか書きたくなったのは、古本屋でみつけたエッセイ集がちょっと良くてマネをしたくなったからなんだけど、やっぱり一番の理由は、今部屋でひとりだということかもしれない。
部屋はずいぶん散らかしっぱなしで、せっかくの休みを片づけと掃除洗濯で潰す、というのは衛生的だし悪くはないけれど、それより誰かに会って、近頃のおもしろかった事なんかをしゃべりたいな、と思った。

しかし、誰に会えばいいのか考え込んでしまったのだ。

最近聴いているレコードだとか、すてきな靴を買ったとか、あるいは終えたばかりのステージの感想や、完成したばかりのアルバムの話を、ぼくは誰にすればいいんだったっけ?

それがわかるのにちょっと時間がかかるくらい、ぼくはここ1年ほど音楽にだけ見とれていた。他の誰も目に入らないで、それは「かけおち」と似ていた。ひとりぼっちの、かけおち。

そんな話をぼくはようやく、きみに聞かせたいと思えたのだ。
ちゃんときみからの返事も受けられるように、下にはメールフォームもつけてもらった。
つまりこれはぼくからの、ずっと続くだろう長くてくだらない私信なのだ。

明日からぼくは、それを少しずつ少しずつきみに送ろうと思う。
いつかまとめて読んだならきっと膨大な量になる手紙、それがそのままぼくらの歴史となるように!

それでは、ぼくは今からスタジオ、夜にはラジオで少しここの話もするかもしれない。
きみに握手を。

志磨遼平


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2013年09月24日 16時10分

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